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バイデン政権下で好景気が続く米国経済
2021年後半以降の注目ポイントは?

2021年9月6日

米国経済の回復が力強さを増している。米連邦準備制度理事会(FRB)は、2021年の米国の実質経済成長率(GDP)を前年比+7.0%と予想。これは1984年の+7.2%以来の高い数値である。足元の物価上昇率も高水準が続いており、金融市場では、日を追うごとに「量的金融緩和政策の縮小(=テーパリング)」の前倒し観測が高まっている状況だ。果たして、FRBによるテーパリング開始はいつか? FRBの金融政策のスタンスと、それを読む上での米国経済のチェックポイントについて、ニッセイ基礎研究所経済研究部主任研究員の窪谷浩氏に聞いた。


ニッセイ基礎研究所
経済研究部 主任研究員
窪谷 浩氏

テーパリング開始は年内、利上げは2023年中

――まず、現在のFRBの金融政策の基本的なスタンスを教えてください。

先の6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FOMC参加者の経済見通しにおける2021年の成長率とインフレ率が、3月から大きく上方修正されました。いずれも事前の想定範囲内だったのですが、上方修正を受けて、FOMC参加者の政策金利の見通しは“タカ派”の方向に傾きました。3月時点では、2023年までは政策金利を据え置くという見通しが多数派だったのですが、6月では“据え置き派”はFOMC参加者18人中5人に留まったのです。しかも、政策金利の見通しの中央値をみると、2023年は0.625%となり、2回の利上げが想定されています。その結果、金融市場では、FRBによる早期のテーパリング観測が強まりました。

テーパリングの開始時期については、8月下旬のジャクソンホール会議でパウエル議長が2021年内開始の可能性を示唆したことから、年内開始との見方が大勢です。したがって、早ければ9月のFOMC、遅くとも11月のFOMCでテーパリングが決定されることになります。

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