今回の資産運用時事コラムは「2024年の運用課題」をテーマに3回シリーズでさまざまなテーマを掘り下げていく。【後編】では、一般勘定の取り扱いや株式運用の考え方、ESG投資の動向について解説する。
■目次
・はじめに
・仮想座談会出席者一覧
・為替リスクの管理と高止まりするヘッジコスト、対応とその影響
・債券運用の見直し ①外国債券
・債券運用の見直し ②円建て債券
【中編】※前回
・インフレ、高金利、高ヘッジコストがインカム系プライベートアセット投資に与える影響
・プライベートエクイティへの影響
・デノミネーター効果がDBのプライベートアセット投資に与える影響
・小規模基金におけるプライベートアセット投資の導入~オルタナマルチは解の一つ?
・存在意義が問われるマルチアセット~2024年は正念場
・ヘッジファンドは再評価の兆しも、人気のマルチマネジャ―型はコスト増の懸念
【後編】
・一般勘定の取り扱い~解約控除も無視できず当面は維持が多数
・悩ましい株式運用、バリューかグロースか?スタイル分散か?
・ESG投資~一時のブームは去ったがESGは自然体で考慮されるように
・おわりに
【後編】
生保一般勘定の取り扱い~解約控除も無視できず当面は維持が多数
司会:2002年以降、長期にわたり予定利率(保証利率)が1.25%に据え置かれ配当と合わせ年金の運用収益を下支えしてきた生保一般勘定ですが、長期国債の利回り低下によりこの数年で予定利率を引き下げる生保も出てきました。大手では1.25%を維持しているM生保の4月以降の方針が気になるところです。30年国債も一時の0.6%近辺から1.6%近辺に上昇してきており、配当は期待できないものの、2024年度は予定利率1.25%が据え置きになる可能性が高いようです。ただ、それは2025年3月までの話で、その後は予定利率をN生保の0.50%を多少上回るところまで引き下げる、という可能性もあるようです。