銀行などの金融機関以外のいわゆる「オルタナティブ・レンダー」が貸し手となる「プライベートデット」が急速に普及している。金利上昇局面でも為替ヘッジコストに負けないリターンが取れる数少ない資産クラスとして、機関投資家の間で採用拡大が続く。今後起きうる景気後退の局面でもプライベートデットは有効か。アライアンス・バーンスタインで中小企業を融資対象とした「ダイレクト・レンディング」の運用戦略を担当するブレント・ハンフリーズ氏に、プライベートデット市場の現在地と今後の展望について考えを聞いた。
アライアンス・バーンスタイン・エル・ピー
ABプライベート・クレジット・インベスターズ プレジデント
ブレント・ハンフリーズ氏
私たちの見通しでは、ECBや英国に続いて、今年夏ごろにも米国が利下げに踏み切るだろうとみています。大統領選に関しては一定程度のインパクトを見込みつつ、相場への極端な影響は生じないだろうとみています。私たちはトランプ氏、バイデン氏双方の大統領時代を4年間ずつ経験済みであり、どちらの体制下でも米国経済が成長を続けてきたという事実こそが重要です。
注目すべきなのは、個々の企業の業績や財務といったファンダメンタルズです。マクロ環境に過度に引っ張られることなく、景気サイクルのあらゆる局面において安定的なビジネスモデルを実現しているかどうかが私たちの関心事です。