はじめに
企業年金を取り巻く環境は大きく様変わりしている。マクロ経済環境の複合的要因により株式・債券の相関が高まったほか、伝統的資産からの分散投資先としてプライベートアセット投資が拡大してきたが、足元では円金利の復活に伴い、円建て債券への回帰も検討俎上に上るようになってきた。また、インフレ恒常化によって、給付水準の改善を検討する企業年金も限定的ではあるが増えてきており、従来の運用の前提が変わりつつある。さらに、市場環境以外では資産運用立国実現プランに端を発する一連の議論の中で、アセットオーナー・プリンシプル(AOP)受け入れや企業年金の見える化などが進められ、外部から企業年金を見る目は、従来と大きく変わってきている。
そこで「オルイン」ではシニアフェロー小倉邦彦が聞き手となり、年金運用の最前線に立ち業界のオピニオンリーダーとなっている方々と様々なテーマで議論する企画を立ち上げた。記念すべき第1回はインベスコ・アセット・マネジメント資産運用研究所長 荻島誠治氏と「企業年金を取り巻く環境変化やこれからの運用を考える」をテーマに議論していきたい。同氏は1991年に野村総合研究所入社以来、長年にわたって運用コンサルティング業界をリードし、本年3月末までは野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの会長を務められていた。