目次
はじめに~欧米でCRT戦略が拡大した背景
CRT戦略の概要
CRT戦略による銀行のリスクアセット削減効果
なぜ、日本のDBがCRT戦略に投資をするのか?
規制当局の懸念~銀行の保有する信用リスクがノンバンクを経由し年金や保険会社に
終わりに
はじめに~欧米でCRT戦略が拡大した背景
BIS規制とCRT戦略の関係
銀行の保有する債権をバランスシートに残したまま、その与信リスクを投資家が引き受けることで収益を獲得する取引が「キャピタルリリーフ戦略」あるいは「銀行資本リスクシェアリング戦略」と称して日本のDBにも紹介されている。これは欧米では「Credit Risk Transfer」「Capital Relief Trade」「Synthetic Risk Transfer」「Significant Risk Transfer」と一般的に呼ばれるものである。これまでもクレジット・リスク・トランスファー戦略(以下CRT戦略)はマルチクレジット戦略のポートフォリオの一つとして組み込まれていることはあったが、最近は CRT 戦略だけに特化したWhitecroft 社(セイリュウ)や CQS 社(りそな銀行)のファンド等が、日本でも募集活動を行っている。
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