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連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム
第16回 プライベートデットのフロンティアとして拡大を続けるNAVファイナンス

2024年6月24日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

最近、「Net Asset Value-based financingNAVファイナンス」という言葉を耳にするようになった。これはPEファンドが保有するポートフォリオを担保としたファンドへの融資であり、一般的には、保有資産の入れ替えに伴う流動性ギャップやIRRの引き上げを考慮した分配金の前倒し等に利用されているが、最近はエグジット活動が低下傾向にあることもありNAVファイナンスの活用が増えてきているようである。

また、従来は後述するサブスクリプション・ファイナンスも含め金融機関による資金提供が主体であったが、バランスシートの制約から増加するNAVファイナンスの需要に応えることが難しくなっており、この分野でもプライベートデットファンド(NAVファイナンス・ファンド)の存在が大きくなっている。日本でも複数のNAVファイナンス・ファンドが募集活動をしているが、DBにおいてはいまだ認知度が高いとは言えず、「それって何?」「名前は聞いたことはあるけど…」という声も多いので、今回の時事コラムでは今後拡大する可能性のあるNAVファイナンスを取り上げ、DB関係者二人の会話を通してその現状やリスクの所在等を分かりやすく解説していきたい。

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小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。

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