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社保審の企業・個人年金部会、中間整理案は「両論併記」に  iDeCoのデフォルト商品や限度額見直しはどうなる

2024年3月15日
川辺 和将 /  金融ジャーナリスト

厚生労働省で2月27日、社会保障審議会企業年金・個人年金部会の第32回会合が開かれ、事務局側は、私的年金制度についてのこれまでの議論を集約した中間整理案を提示しました。政府の資産所得倍増プラン、資産運用立国実現プランで盛り込まれたiDeCoや企業年金の制度見直しについては、委員からの慎重な意見を含めて紹介しつつ、最終的な結論を先送りする内容となっています。
※この記事はフィナシープロからの転載です。

22年の資産所得倍増プラン、23年の資産運用立国倍増プランでは、DB、DCの運用の「見える化」や高度化に向けた制度見直しの方向性が打ち出されていました。

今回の中間整理案では、昨年4月から今年2月までの議論・ヒアリングで出た意見をテーマごとに集約。このうち「見える化」については、加入者、受給権者のために行われるのであれば、受託者責任の観点から行うべきとの認識を提示しました。「事業年度ごとのDBにかかる事業および決算に関する報告書は、厚生労働省のサイトで一般に公表すべき」と前向きな意見を記載した一方、DBにおける将来給付の見える化については「コスト面など実務的な課題も踏まえて、一律的な義務づけは行うべきではない」との慎重論をあわせて紹介しています。

DBにおける運用力向上については「ルールを作りすぎると、コストや運営の手間が必要以上にかかり、逆に企業年金を辞めるという企業が出て来る可能性」もあるとの指摘を紹介しています。

また、退職時や受給時の加入者への情報提供について、4月に新設する金融経済教育推進機構を活用する案も盛り込まれました。

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