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セミナーレポート
高金利環境で迎える重要局面
オルタナティブ資産の投資機会と留意点

タスク・アドバイザーズの眞保二朗社長が解説
2024年2月29日

欧米では高金利環境が続き、国内でもゼロ金利からの脱却が視野に入ってきた。金利の上げ下げが運用戦略の「キードライバー」となる年金基金にとって重要な局面を迎える中、主にオルタナティブ資産を含むポートフォリオのコンサルティングを行うタスク・アドバイザーズで代表取締役社長の眞保二朗氏は、債券やオルタナ資産の組み替えを念頭にポートフォリオの見直しを促す。オルタナ資産を巡る投資機会と運用上の留意点を確認しておきたい。

※本記事は2024年1月19日開催の「オルイン新春セミナーin名古屋」でのクロージングセッション「コンサルタントに聞く! オルタナティブアセットの投資機会と留意点」の内容をもとに採録しました。

求められる新たなポートフォリオ

年金基金における退職給付費用の内訳の推移を見てみると、割引率上昇による年金負債減少などを背景に未認識項目の償却額がプラスに転じるなど運用の自由度は少し上がっています。しかし、欧米諸国で先行して見られたように、しばらくすると利息コストがじわり増えていきます。余裕のあるうちにこれに対応するポートフォリオの再検討を行うのが良いのですが、その主眼は債券の取り扱い、そしてポートフォリオ全体の期待収益率向上です。

改善した積立比率の維持を目的として安全策で債券を増やす場合、株式やオルタナティブ投資ではアルファの積み増しを図り、ポートフォリオ全体の期待収益率を維持・向上させるのが理想的です。期待収益率を高める最も単純な方法は株式比率の引き上げですが、常に給付などのキャッシュフローが生じる年金運用では、その時々で上げ下げが大きい資産の組み入れ比率には限界があります。

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