セミナーレポート岐路に立つプライベートアセット【後編】運用上の留意点と新たな投資機会
マーサージャパンの五藤智也氏が解説
2024年2月20日
伝統資産とは異なる特性を持つプライベートアセット(PA)は国内投資家の間でも広く浸透した。ただ近年、海外金利の上昇や為替ヘッジコストの増加、経済サイクルの変化などPAを取り巻く投資環境はめまぐるしく変化している。足元までの環境変化と今後のマーケット動向がPAの運用にどのような影響をもたらすのか。マーサージャパンでウェルス・コンサルティング本部代表の五藤智也氏を招き、「オルイン」シニアフェローの小倉邦彦と語り合ってもらった。
後編ではマーサージャパンの五藤氏のコメントから、PAの運用上の留意点と、新たな投資機会ついてフォーカスする。
※本記事は2023年12月7日開催の「オルイン機関投資家フォーラム」でのクロージングセッション「岐路に立つプライベートアセット運用の再点検と新たな投資機会」の内容をもとに採録しました。
押さえるべきは4つの基本事項
PA投資というと高リターンを得るための投資機会に意識が向かいがちですが、最も重要なのは運用の基本事項を押さえることだと考えています。基本事項とは、➀投資対象の「分散」、②投資信念等の「一貫性」、③ファンド選びを外部に任せるのかインハウスで行うのかといった「委託方法」、④運用を任せる「マネジャー選定」の4つです。
まず➀分散は資産運用における基本中の基本ですが、PA、特にクローズエンド・ファンドにおいては資産クラスや投資戦略の分散のみならず「ビンテージの分散」が非常に重要です。
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