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金融政策分析レポート「セントラル・バンク・ウォッチャー:別世界の金融政策」

2022年1月5日
ロベコ・ジャパン株式会社
12月第3週に入って利上げの動きが相次ぎ、ノルウェー、チリ、メキシコ、コロンビア、ロシア、ハンガリーの中央銀行が政策金利を引き上げました。また、同じ週には、イングランド銀行がコロナ下で初の利上げを決定したほか、FRBは資産買い入れプログラムを早期に終了させる意向を表明し、2022年に利上げを開始するための地ならしを行いました。世界中の中央銀行が金融緩和からの出口戦略を急いでいるという印象を受けるかもしれませんが、実態は異なります。世界第2位の経済大国である中国では、人民銀行は足元で全面的な緩和スタンスに転換し、同3位の経済大国である日本では、極めて緩和的な金融政策からの転換が非常に遅いペースで進んでいます。一方、ECBは量的緩和プログラムの1つである「パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」の終了を発表したものの、通常のプログラムが終了して初めて、利上げは秒読み段階に入ることになります。グローバルな供給サイドの問題が重要な要因となってインフレは上昇傾向にあるものの、中央銀行の政策対応に関しては別世界にいる感覚を覚えます。

もっとも、主要先進国の債券市場の趨勢が激変する、あるいは大きく分極化する展開は想定していません。各市場が相互に結び付いていることや、先進諸国の政策金利が長期的に低い水準で推移する見通しを踏まえると、長期債利回りの上昇余地は、ここ10年間と同じように限定的と言えるでしょう。直近では、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大を背景とする質への逃避の動きが一因となって、長期債利回りの上昇圧力は抑制されています。


要点

  • FRB: 利上げに向けた地ならし
  • ECB: PEPPは終了、APPは継続
  • 中国人民銀行: 国際的な流れに逆らう政策
  • 日本銀行: 金融政策の分極化


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