金融政策分析レポート「セントラル・バンク・ウォッチャー:金利の丘を駆け下りる」
2023年12月28日
ロベコ・ジャパン株式会社
先進国の中央銀行の「長期にわたって金利は高止まりする(higher for longer)」というメッセージを市場が再考する過程で、今年半ば以来の長期債利回りの上昇は、わずか6週間の間に完全に反転しました。この動きは、物価動向の好転により牽引されており、経済のハードランディングに対する懸念はそれほど大きくありません。しかし今後、予想外に経済成長が下振れする局面が起これば、債券市場がさらにラリーする展開も十分想定されます。
政策金利が長く横ばい状態にとどまることはないという市場の見方には、ロベコも賛同します。もっとも、米国とユーロ圏では、賃金上昇率が依然として高すぎる状況をFRBとECBが懸念しているため、利下げは来年4~6月期以降になる可能性があります。また、政策金利がインフレ抑制的な領域にとどまる期間が長期化するほど、中立的な状態に戻るまでの期間は短くなると考えられます。とりあえず、中央銀行が丘を駆け下り始めるまでの間は、頂上からの眺めを楽しむことにしましょう。【要点】
- 米連邦準備制度理事会(FRB):転換期を迎える
- 欧州中央銀行(ECB):高原状態は長続きしない見通し
- 中国人民銀行:先を急がず
- 日本銀行:正常化が最善策
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