JPモルガン・チェース銀行 佐々木融氏
急進するインフレと円安に潜む構造的要因 キャピタルフライトで円下落に拍車がかかるか
著名アナリストに聞く2022 年以降の為替相場見通し
2022年8月8日
2022年3月以降円が急落し、ドル円相場は歴史的な円安水準となっている。世界の主要国がインフレ圧力の高まりを受けて一斉に金融引き締めを強化する中、日銀の緩和スタンスは変わらず、円が狙い打ちされた格好だ。2カ月ほどで約20円の下落という過去に例を見ない状況を受けて、国内では一気に円安を巡る議論が沸騰。そんな中、「今の円安は構造的なもので、起きるべくして起きている。これからさらに本格化する可能性もある」と語るJPモルガン・チェース銀行市場調査本部長の佐々木融氏に、その理由を聞いた(5月12日取材。本インタビューは『ニュー・プロップvol.16』からの転載です)。
完全に後手に回ってしまったFRBの金融引き締め策
――2022年の前半は、かつてないほどのスピードで円安が進行しました。ロシアのウクライナ侵攻など大きな事件もありましたが、主要国通貨の中では円が独歩安の状況です。こうした事態をどう捉えていますか。
この1年で、世界経済に対する見方は様変わりしました。世界経済の成長率予測が下方修正される一方、米国を中心としてインフレ圧力が予想以上に高まり、グローバルCPI (消費者物価指数)の動向からはスタグフレーションの可能性も浮上してきています(図1)。
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