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連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム
第12回 ビハインド・ザ・カーブに陥ったFRBが利上げの遅れを検証
~テイラー・ルールが利上げのベンチマークとして復活?

2024年3月25日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1.新型コロナ後の高インフレ下におけるFRBの主要政策措置の流れ

今回の利上げサイクルではインフレの高騰が一時的との判断で、利上げ開始が遅れたことにより、インフレの上昇に対して利上げが遅れるビハインド・ザ・カーブに陥り、結果として急速で長期にわたる政策金利の引き上げを迫られたのではないかとの見方が強い。

FRBは本年214日に「新型コロナ収束後の高インフレ下におけるFRBの対応について(The Federal Reserve’s responses to the post-Covid period of high inflation)」と題するFEDS Notesを公表し、その対応を自ら分析した。執筆者はウォラー理事とProgram Direction Sectionのイーリグ上級顧問である。ウォラー理事は元セントルイス連銀副総裁で経済学者、今回の利上げサイクルでは一貫して大幅利上げの必要性を主張してきた超タカとして有名であるが、昨年11月にはテイラー・ルールにも言及しながら政策が十分な金融引き締め圏に達したと述べ、FOMCメンバーの中でも真っ先に利下げの可能性を示唆した人物である。今回のFEDS Notesは利上げ局面における政策判断の検証になるが、適正な政策金利の水準を把握するための有用なベンチマークとしてテイラー・ルールに言及しているのが特徴である。 

FEDS Notesの中身を議論する前にまずは今回の利上げサイクルにおいて、FRBが採った主要な政策措置をFEDS Notesを基に振り返ってみたい。

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小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。

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