オルインVol.69 特別座談会
近年急速に普及した「プライベートインカム」
クレジットサイクル終盤の今、確認すべきポイントは？

近年、日本の年金・機関投資家の間で新たに採用が進んだ投資対象の代表格ともいえるのが、プライベートデットや不動産、インフラなど、プライベートアセットの中でもインカム収益の獲得が見込める「プライベートインカム」だ。長年の金融緩和がもたらした伝統的債券運用のインカム不足の補完役として、 2010年代の「ゴルディロックス時代」に多くの年金基金で採用されたが、本格的な景気サイクルをひと通り経験しているケースは限定的だろう。
歴史的なインフレの抑制のために急ピッチで進められた利上げの終了見通し、米欧で相次いで表面化する銀行の経営問題、そして景気後退入りの懸念……近年経験したことのない経済環境を迎えようとしている今、プライベートインカムを保有するアセットオーナーはどんな点に留意すればいいのか。この分野に精通する論客に話を聞いた。