適温経済が続いた2010年代は、伝統資産の堅調なパフォーマンスにマルチアセット戦略やプライベートアセットの隆盛も相まって、かつてオルタナティブ投資の主流であったヘッジファンドの存在感は相対的に低下傾向にあった。
しかし、2022年の伝統資産を中心とした運用パフォーマンス悪化を受けて、風向きが変化している。株と債券の逆相関性が失われ、ロングオンリーの運用では対応が困難な状況に直面したことで、改めてヘッジファンドが持つ分散効果や、アルファの創出力に注目が集まっているのだ。
さらに、いまだ各国の金融政策や世界経済の先行きに対する不確実性が拭えない中で、ヘッジファンドに対する投資家の期待も継続していくと予想される。
本特集では、再注目を集めるヘッジファンド投資の現況を整理し、今後の運用環境における効果的な活用方法を探っていく。