黒田東彦前日本銀行総裁が「異次元緩和」と呼ばれる大規模な量的・質的金融緩和を開始したのは2013年4月のこと。その後さまざまな追加緩和が実施されたことや、コロナ禍以降の高インフレを背景に海外中央銀行がこぞって金融引き締めを開始したこともあり、10年後の現在は「異次元」という言葉に抱く印象も変わりつつある。
新たにバトンを受け継いだ植田和男新総裁には、国内にも物価上昇の波が押し寄せる中でいつ、どのように金融政策正常化へ舵を切るのか、かつてないほど注目が集まっている。
さらに、バブル後の最高値を更新する日本株市場の見通しや、金融政策正常化の過程で円債投資に魅力は戻るのかなど、日本市場を巡る議論は尽きない。
本特集では、わが国を代表する著名なエコノミストやストラテジスト、運用会社に日本の金融政策や経済の見通し、投資家が注視すべきポイントについて話を聞く。