今回のコラムでは世界金融危機以降に日本の年金・機関投資家の間で普及し、現在では主要資産クラスのひとつにもなっているマルチアセットを取り上げる。
マルチアセットにとって2022年度は非常に厳しい年になった。絶対収益獲得との前提で導入したものの、市場のベータをほぼ反映した大きなドローダウンにより「期待外れ」と感じた投資家も多かったのではないかと想定される。原因はFRBの急速な利上げを背景に株式と債券の本来あるべき逆相関関係が崩壊し、株式と債券が同時に下落するという環境下、マルチアセットが得意とする機動的な資産配分によるリスクコントロールが全く機能しなかった点が挙げられる。本コラムでは2019年度のコロナによる大きな下落、2020年度のV字回復時のマルチアセットのパフォーマンスも含めて分析し、マルチアセットが内包する諸課題や、年金の運用資産に引き続き組み込む有効性が残されているかを検証したい。
ピックアップ
よく見られている記事ランキング
-
野村年金ニュース解説 2023年度のGPIFの運用実績と取り組み
Web限定 企業年金 -
J-FLECがキックオフイベントを開催 「守り優先」の姿勢もにじむ
Web限定 企業年金 学校法人 資産運用立国 金融庁 -
米国経済 Deep Insight 第6回 サームルール抵触で意識される景気後退リスク
Web限定 寄稿 市場見通し -
総合型戦略の登場によって厚みを増す国内インフラ 注目の投資テーマと今後の展望は
Web限定 インフラ プライベートアセット -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム第18回 アセットオーナー・プリンシプルや「見える化」、資産運用ガイドライン改定にDBはどう対応すればよいのか? 【後編】~DB関係者による仮想座談会~
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
全国のアセットオーナーの「お手本」に? 大学ファンドの運用担当幹部が手法と展望を明かす
Web限定 企業年金 学校法人 資産運用立国 金融庁 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム第18回 アセットオーナー・プリンシプルや「見える化」、資産運用ガイドライン改定にDBはどう対応すればよいのか? 【前編】
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
連載 プライベートアセットが「ぐっと身近」になる基礎知識
第4回 資産クラス編③「プライベートデット」Web限定 プライベートアセット プライベートデット 企業年金 -
注目を集める不動産新セクター、トリプルネットリース
Web限定 不動産 企業年金 金融法人 -
地域金融機関から注目集める新ソリューション「OCIO」とは何か?
Web限定 金融法人