2022年には株式・債券の同時安に見舞われ、国内投資家もこの市場の混乱による影響を免れることができなかった。多くの企業年金は政策アセットミックス(政策AM)上で債券の比率が下がり、相対的に底堅かったプライベートアセットを含むオルタナティブ資産はむしろ比率が増加している。まだまだ先行きが不透明な中で、どのようにリバランスの実務に当たっていくべきだろうか。加えて、分散効果を前提に政策AMは策定されているはずだが、その常識外の事態が発生しており、政策AMとリバランスルールの関係にも注目が集まっている。そこで本特集では、コンサルタントの見解と企業年金のケーススタディを通して、改めて政策AMとリバランスの在り方について考える。
長期リターン獲得に向けた政策AMと
リバランスルールのあるべき姿とは
このパートでは、政策AMとリバランスルールの関係性や在り方について整理するとともに、投資家の事例やリバランス対応の考え方などについて、野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティングの権代紘志氏とラッセル・インベストメントの金武伸治氏に話を聞いた。