「すべての仮説が常に正しいわけではありませんから、さまざまな視点から検証してみることが重要だと思っています。しつこく調べて事実を積み重ねて検証していくことが、学生から会社員時代までに学んだ大切な姿勢です」
全国印刷製本包装機械企業年金基金で資産運用顧問の上田豊二郎氏は、自身を貫く哲学についてこう表現する。この言葉通り、上田氏は豊富な人生経験を通して、事実を確かめながら実務に当たってきた。
少年のころから宇宙の謎を解明したいという夢を抱いていた上田氏は、学生時代から数字やデータを扱うことには慣れていた。次第に机の上で理論や数字を考えるだけではなく、現場経験を通してモノづくりを学びたいという気持ちがわき、大学を卒業すると国内のある大手電機メーカーに入社。社内でも珍しく、営業と工場での労務管理を兼務することになる。