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Graham Capital Management のグローバル・マクロ戦略(ヘッジファンド)- 全天候型で情勢変化に対応!

2021年9月16日
Soleil Global Advisors Japan 株式会社
Soleil Global Advisors は、前回8月21日のリリース投稿で、弊社がご案内するブルーチップ運用会社のラインナップを公表しました。ご高覧頂けましたでしょうか。これからの投稿では、時々そのラインナップの中から個別の運用会社や戦略を取り上げ、特に興味深い一面をご紹介していきます。

第一弾は、弊社の立ち上げからアンカー・クライアントとして契約しているGraham Capital Management (GCM)をご紹介しましょう。グローバル・マクロ・ヘッジファンドの老舗として1994年に設立されたGCMは、弊社の契約マネージャー・ポートフォリオのセンターに相応しい運用会社です



年、投資家の間で時価評価による資産価値のブレから影響を受けにくいメリットのあるプライベート・アセットへの人気が高まる一方、ヘッジファンドは総じてパフォーマンスがやや低調という印象があるようで関心が薄まっているように感じられます。世界的に低金利環境が続く中、近頃はより高いリターンを求めてプライベート・アセットにも投資をするヘッジファンドも見かけ、今日ヘッジファンドは必ずしも流動性を有するアセットクラスとは断言できなくなっている面さえ散見されるようになりました。しかし、そんな中にも投資ガイドラインに沿って運用しつつ優れたパフォーマンスを維持しているヘッジファンドはあり、GCMは紛れもなくその一つと言えます。

プライベート・アセットに投資をする場合、そのリターンの源泉となる非流動性プレミアムの引き換えとして、投資家は流動性リスクを取ることになりますが、その適切性がしっかりと判断されなければなりません。ヘッジファンドが上で指摘したような展開を広げる中、GCMは流動性という観点においても高く検討に値する運用戦略を提供しています。さらに、各国で新型コロナ禍が終息するにつれ、投資家が晒される可能性のある金利上昇リスクなどのマクロ環境の変化に対応できる運用ポートフォリオ構築を考える上でも、マクロ環境をタクティカルに収益機会とするGCMは、縁の下の力持ちとしての意義を高めるマネージャーとして、今まさに検討すべき時期にあると言えるに違いありません。

創設者であり会長のケネス・トロピン氏は、GCM設立前、近代システム・トレードの先駆者で、世界で初めて市場のリバーサル・トレンド (*1) からの収益機会をトレンドフォロー戦略で実証した投資家、ジョン・W・ヘンリー氏 (*2) によって設立された有力なCTA (*3) であるジョン・W・ヘンリー・アンド・カンパニー (*4) の社長兼CEOを務めていました。トロピン氏は有力なヘッジファンドからなる業界団体、マネージド・ファンズ・アソシエーション(MFA)の理事長として、この業界の発展をリードしてきた人物です。また、彼は運用損益に関わらず、一定期間後の投資元本を保証したファンドを開発した一人として業界で認知されるなど、そうした功績が称えられて2005年には米国先物業協会(FIA)の「フューチャーズの殿堂」入りを果たしています。

このようなトロピン氏の輝かしい投資家としてのキャリア実績を礎に設立されたGCMは、マクロ/CTAヘッジファンドとして着実に投資家を惹き付け、北米をはじめ、欧州、アジア、オセアニア地域の機関投資家をコアの顧客層として、足元約2兆円弱の運用資産残高(AUM)を誇る規模に成長しました。その特徴は何と言っても、システマチックなトレンドフォロー戦略(クオンツ)と裁量トレード戦略という2つの完全に異なる運用手法のチームをそれぞれ車の両輪のようにがっしりと維持し、独立しつつも相互に経験や学習を活かし合って戦略の改善に努めるというカルチャーで組織が運営されていることでしょう。そしてリスク管理においても、高度なクオンツ運用のノウハウを活かし、分散効果の効き具合を資産クラス間の相関、期待アルファ間の相関、トレード対象の流動性に基づく取引コストとの兼ね合い、さらに裁量トレード戦略においては組入れ戦略ポートフォリオ間の相関など多様なデータを駆使し、徹底したモニタリングを実施。特にトレンドフォローやキャリーの戦略では、ある程度の長い期間軸による資産クラス間の相関に基づいてポジションの安定化を図るのが一般的な手法ですが、GCMではごく短い期間での計測値を使いながら安定化を実現し、相場の急変にも素早い対応が出来るよう意図された設計がなされています。近年人気を集めている完全なAIやロボ戦略とは違い、管理された機械学習を利用して市場動向の特性を深く洞察する技術を開発して実践活用するなど、リターンとリスクの両面における地道なリサーチの積み重ねが、非常に堅調で安定したパフォーマンスに繋がっており、それが現在のAUMに表れているということが出来ます。

また、GCMの重要な特色として、格段の透明性を指摘しないわけにはいきません。積極的な情報公開・情報提供を行う彼らの姿勢は、投資哲学においてブラックボックスを存在させることなく運用する点とも密接につながっており、パフォーマンス分析の詳細やリサーチ内容などのリソース開示を極めて高いレベルに置いています (*5)。そこには他社には真似できないGCM特有の能力と技術で競争力を維持していくという自信が、その証となっていると言えるでしょう。GCMのコンプライアンスの範囲内で可能な限り公平に投資家からの説明ニーズに対応する姿勢を持っており、その意味でも弊社が安心して最高の信頼を置けると考える運用会社です

いかがでしょう。GCMの追加的な情報、個別戦略に関するより詳細のご説明、その他の有用なリソース(リサーチ・コンテンツ)など、ご関心がありましたら遠慮なくお問い合わせください。こちら(→)の弊社コンタクトリストにご登録いただけましたら、ご連絡させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(リンクが貼ってある色付きの文字へカーソルを重ねますとカーソルが指マークに変わり、そこでクリックしていただきますとリンクへ移動します。)

 

(*1) 従来のロング・オンリー(買い)だけのトレンド・フォロー戦略では、市場での収益機会は価格上昇基調時に限られていたが、価格のリバーサル・トレンド(下降基調)からもショート(売り)・トレードを利用することで、収益機会を拡大できることをジョン・W・ヘンリー氏が実証した。これにより、常に市場参加できる投資戦略を実現させ、総じて市場に存在する収益機会の獲得を図ることを可能にした。
(*2) メジャーリーグのボストン・レッドソックスや英サッカー・プレミア・リーグのリバプール・クラブのオーナーとしても知られる。
(*3) Commodity Trading Advisor(商品先物投資顧問会社)の略で、米国の独立政府機関である商品先物取引委員会(CFTC)に登録し認可を受け、CFTCの監督下にある自主規制協会、米国先物協会(NFA)の会員資格を有する者。
(*4) 2012年に顧客資産を返還し、現在はヘンリー氏のファミリーオフィス。
(*5) たとえば、彼らの最近のリソース提供には、低回り低下によって後退した債券による危機時ディフェンシブ効果の代替戦略についてを論考したリサーチ・ペーパーがあり、007 張りの「A Quantum of Solace(慰めの報酬)」というタイトルが付いている(英文ですがご参考まで)



ご質問: info@soleilglobaladvisors.com

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