グローバル債券マクロ・アウトルック:財政問題で荒れる季節の到来
2024年7月4日
ロベコ・ジャパン株式会社
欧州議会選挙後の動向は、政治リスクが突如として注目を集める可能性を浮き彫りにしています。
ユーロ圏の国債市場では、この1年間、リスクに対する楽観的な見方に後押しされて、ボラティリティが比較的低い中で、対ドイツ国債スプレッドは緩やかに縮小しました。しかし、欧州議会選挙において、フランスのマクロン大統領率いる与党連合が大敗を喫したことを受けて、センチメントは急変しました。その後、同大統領が突如として解散総選挙を発表したことも、市場の混乱に拍車をかけました。以前から、市場ではフランスの財政状況に厳しい目が向けられていましたが、財政拡大を掲げる政党の勝利によって、財政悪化リスクがさらに高まる形となりました。
インフレの動向や中央銀行の政策決定会合の結果に市場の注目が集まる中でも、地政学的なイベントが突如として市場に大きな影響を与える可能性があることが明らかになりました。財政を巡る不確実性が高まる中で、英国では総選挙が近づき、米国では年後半に大統領選挙を控えています。この夏、そしておそらくこの秋も、大荒れの展開になるかもしれません。
<要点>
- フランスにおける想定外の解散総選挙決定を受け政治リスクが前面に
- FRBとECBは利下げを急がず - サービス価格インフレの減速を確認する構え
- 中期債と高格付けのSSA債/カバードボンドを引き続き選好
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