クレジット四半期アウトルック:変わらない本質
2024年7月3日
ロベコ・ジャパン株式会社
少なくとも投資適格の領域においては、2024年4~6月期は社債投資家にとって非常に退屈な時期であったと、歴史的に評価されることになるかもしれません。状況を一変させたのは、フランスのマクロン大統領が突如として解散総選挙を発表したことでした。
この発表は、ルペン氏率いる極右政党に政権の座を与えかねない、危険な賭けであると捉えられました。これまでのところ、ボラティリティの上昇が目立つのはフランスの銀行債とソブリン債の市場であり、市場の主な懸念は「Frexit(フランスのEU離脱)」よりも、すでに限界に近づきつつある政府債務指標をさらに悪化させかねない財政拡大の可能性に注目が集まっているようです。
本稿の執筆時点において、選挙の最終的な結果は確定していませんが、今回の出来事は、予期せぬイベントがボラティリティの大幅な上昇要因になりうることを、タイムリーに示しています。バリュエーションが割高な水準に達し、市場のコンセンサスが一方向に傾斜しているタイミングにおいて、影響が特に大きくなることは明白です。
<要点>
- スプレッドは歴史的に見て割高に見えるが、利回りは高い水準で推移
- 経済の基本シナリオの下でテールリスクが過小評価されるおそれも
- クレジット市場では少なくとも当面はテクニカル優位な地合いに
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