米欧日の経済見通し│マクロ・ビュー:続く膠着状態
2024年7月3日
フランクリン・テンプルトン・ジャパン株式会社
経済見通し「マクロ・ビュー」をお届けいたします。米国・欧州・日本の経済動向を簡潔にまとめたレポートです。「主要先進国のマクロ経済の現状と見通しをまとめて一度に押さえたい」という方に役立つ内容になっています。


主なハイライト
- インフレ抑制が依然として最優先課題:米国の労働市場は軟化の兆しを見せていますが、レイオフは低水準で推移しています。貯蓄水準や信用供与が引き続き個人消費を促していますが、実質所得の伸びは停滞し始めています。一方、一部のセクターでは消費者物価がここ数年にわたる市場金利や投入物価の急激な上昇に追いつこうとしています。インフレの鈍化傾向が確認されなければ、利下げは12月に1回だけ行われると予想されます。
- ユーロ圏については、楽観的な見方を維持:ユーロ圏の第1四半期実質GDP成長率はプラス成長となり、ここ5四半期にわたり続いた景気停滞に終止符が打たれました。外需、投資、および個人消費が景気回復を主導しました。実質GDPの増加に沿って雇用が拡大し、失業率も過去最低水準で推移しました。総合消費者物価指数(CPI)とコアCPIがともに上昇しました。広く予想されていたように、欧州中央銀行(ECB)は6月に政策金利を引き下げました。
- 市場は日銀の利上げの可能性を過小評価?:我々は、年内に日銀が少なくとも2回の追加利上げを行い、政策金利の誘導目標の上限を0.50%に引き上げると見ています。一方、市場が織り込む利上げ回数は1回のみであり、誘導目標の上限は0.35%になると予想されています。円安の進行により、インフレが再加速するリスクがあるため、日銀は長期にわたり円安を容認することができないと考えられます。輸入物価指数はすでに上昇しており、インフレ期待も上昇しています。
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