金融政策分析レポート「セントラル・バンク・ウォッチャー:独自路線を歩む中央銀行」
2024年4月25日
ロベコ・ジャパン株式会社
米国ではサービス価格の高止まりが長期化の様相を呈しているため、市場はFRBが他の先進国の中央銀行に先駆けて利下げに踏み切ることはないとの結論に至ったように思われます。
ロベコは、ECBは「独自路線」を歩み、より早い段階で金融緩和を開始し、おそらく6月の政策理事会において25bpの利下げから開始するだろうという点で一致しており、実際、理事会はこのシナリオを前提にしていると考えられます。したがって、ユーロ圏の債券に対して前向きなスタンスを強めることが合理的です。さらに言うと、過去の歴史を参考にすれば、スウェーデンのように利下げが差し迫った市場では、イールドカーブにスティープニング・バイアスを示すはずであり、コモディティ価格の急騰がこれに対するリスクとなっているのは間違いありません。
FRBの次の一手が利下げではなく利上げであるとの見方に転じるのは、ロベコの見解からすれば拙速であるように思われます。実際、第3~4四半期には利下げが可能な状況になると見ていますが、近い将来に良好なインフレ統計が得られるか、米国経済の頑強性が揺らぐ兆候が現れることが条件になります。一方、バランスシート政策はより早い段階で変更される見通しであり、「量的引き締め(QT)」は早晩ペースダウンすると見られます。
- 米連邦準備制度理事会(FRB):利下げの見送り
- 欧州中央銀行(ECB):段階的なアプローチ
- 中国人民銀行:創造的な手法によるバランスシートの拡大
- 日本銀行:小さな一歩か大きな飛躍か
◆ レポート全文のダウンロードはこちら ◆
お問い合わせ
ロベコ・ジャパン株式会社 営業部
TEL 03-4589-5570
ウェブサイト www.robeco.jp
ピックアップ
よく見られている記事ランキング
-
野村年金ニュース解説 確定拠出年金専用ファンドの動向(2024年9月)
Web限定 企業年金 -
日証協の全国調査を読み解く! 金融経済教育の課題が浮き彫りに
Web限定 企業年金 資産運用立国 金融庁 金融経済教育 -
連載 小倉邦彦のセミナーレポート 第11回 上田八木証券セミナー 転換期を迎えた金融政策と米ダイレクトレンディング投資の今後(後編)
Web限定 セミナーレポート -
連載 小倉邦彦のセミナーレポート 第11回 上田八木証券セミナー 転換期を迎えた金融政策と米ダイレクトレンディング投資の今後(前編)
Web限定 セミナーレポート -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第19回 IMFが注視する「拡大するプライベートクレジットとそのリスク」(後編)
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第19回 IMFが注視する「拡大するプライベートクレジットとそのリスク」(前編)
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
連載 小倉邦彦のセミナーレポート 第10回 大和ファンド・コンサルティング セミナー(前編)
Web限定 セミナーレポート -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム第9回 フォローの風に乗るプライベートデットの最新動向を探る後編:ダイレクトレンディングに関する井戸端会議 ~ 最新動向を議論する
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
注目を集める不動産新セクター、トリプルネットリース
Web限定 不動産 企業年金 金融法人 -
地域金融機関から注目集める新ソリューション「OCIO」とは何か?
Web限定 金融法人