グローバル債券マクロ・アウトルック:ツイン・ピークス
2022年9月29日
ロベコ・ジャパン株式会社
2022年第4四半期「ツイン・ピークス」
ロベコは年初から一貫して、金融政策の引き締めに焦点を当てつつ、中央銀行が直面するジレンマ( 「チェックメイト(Czech mate)に陥る」)とその後のインフレ対応を優先する政策判断(「インフレ・ゲーム」)について論じてきました。2023年が視野に入る中で、このテーマは変わらないどころか、むしろ重要性を増しています。FRBが今秋に引き締めを終了するという市場全体の期待は、ジャクソンホール会議におけるパウエル議長の発言によって打ち砕かれました。
ECBが「段階的な変化」を継続するという期待も、9月のECB政策理事会においてラガルド総裁がタカ派に転じたことによって、覆されました。一方、インフレの上昇ペースが緩やかになるという期待も、8月に発表された米国の消費者物価指数(CPI)が高水準に達したため、後退することになりました。労働市場の逼迫感が徐々に和らぎ、多くの市場参加者が望むソフトランディングが実現するという期待は、過度に楽観的だったように思われます。過去16カ月間の非農業部門雇用者数は軒並み29万人を上回り、直近3カ月間の平均は40万人近くに達しています。
インフレ率、賃金、雇用者数に関する指標が上昇するほど、中央銀行は景気後退入りを誘発するような水準まで、金利を引き上げざるを得なくなります。経済指標の下振れは景気後退への流れを、経済指標の上振れはさらなる利上げの必要性を、それぞれ示唆します。
要点
- 利上げが前倒しされピークが切り上がったことから、景気後退入りが不可避の情勢に
- 歴史が参考になるのであれば、国債利回りは早晩ピークに達する見通し・・・
- ・・・その後クレジット・スプレッドがピークを迎えることに
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TEL 03-4589-5570
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