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【PR】ゴーディアン・キャピタル・ジャパン
低リスクで高リターンを生み出すSRTを
年金ポートフォリオのコア資産に

2025年6月30日

不透明感が漂う伝統資産や調整色深まるプライベートアセットをよそに、安定的なリターンを抑制されたリスクで追求できると注目されるのが「SRT」と呼ばれる資産クラスだ。日本の年金投資家にとってどんなメリットをもたらす投資機会なのか、同戦略を提供するゴーディアン・キャピタル・ジャパンの依田孝昭氏と野間晋一郎氏、運用を手掛けるホワイトクロフト・キャピタル・マネジメントのマイケル・サンディガースキー氏に話を聞いた。

―まずはSRTとはどのような資産クラスなのか教えてください。

依田 SRT はSignificant Risk Transferの略で、銀行がローンを保有し続けながら、信用リスクのみを投資家に移転する取引のことを指します。また、リスクシェアリングやReg Cap(Regulatory Capital Relief)とも呼ばれ、投資家から見れば、銀行に信用保証を提供し保証料を受け取る取引です。このSRT 取引の仕組みを債券化したのがクレジットリンク債であり、信用保証を受ける銀行が発行し、保証を提供する投資家はこの社債に投資します。


具体的には銀行が保有する複数のローンを束ねて1つのポートフォリオとし、銀行はそれを参照する債券(クレジットリンク債)を発行します。投資家はその債券に投資をすることで、銀行から平均的には10%以上の保証料をクーポンとして受け取る仕組みになっています。さらに、高いクーポンの支払いの源泉は、発行銀行全体のキャシュー・フローであり、参照ポートフォリオからのキャシュー・フローではないことがSRT の特徴です。

低リスクと高リターンを両立する
SRTの投資対象としての魅力は

―投資対象としてSRTにはどのような特徴があるのでしょうか。


野間 一言で表現すれば、シニア債券への投資により、限定的なリスクで年率10%以上の相対的に高いリターンをクーポンとして狙えることです。

まず1つ目は、高いクーポンについては、SRT 取引が銀行の規制自己資本の管理手段である点にあります。銀行側から見れば、SRT 取引によってリスク資産が圧縮されて規制自己資本比率が高まるため、いわば実質的に増資していることと同様になります。つまり投資家は、銀行に対してエクイティ資本を提供していると言えるのです。そのため、SRT の投資家は株式と同程度のリターン水準を要求することが可能となります。

2 つ目は限定的なリスクという点です。SRT 取引で発行されるクレジットリンク債そのものは、銀行が発行する債券の中でシニアの社債に位置付けられるため、劣後債やAT1 債などと比較して返済順位が高いのが特徴です(図)。



3 つ目は、どの融資債権を対象とするかは銀行と投資家の間で決められますので、保証引受の際に中身について十分に精査し、信用リスクが管理された融資債権を選択することが可能となります。将来の信用損失を減らし、クレジットリンク債の償還時に損失補填額を限りなく少なくすることによって、投資家は当初設定されたクーポンによる高いリターンを維持することが可能となります。弊社が紹介しているホワイトクロフト社のように、格付けが高い世界的な大手銀行を取引先に限定し、その銀行が保有する優良企業のローンを中心に保証対象とする保守的な戦略を採用すれば、信用リスクはさらに抑制されるという点も挙げられます。

4つ目は、長期的に安定的なリターンが可能です。クレジットリンク債は決まった償還期限があり、定期的に再発行する必要があります。また発行条件は取引ごとに銀行と投資家の直接交渉によって決まるので、銀行としても信頼できる専門の投資家との取引を好みます。発行銀行にとって投資家との長期的な関係は非常に重要視されるのです。発行銀行と投資家の長期的な関係から発生する長期の安定的リターンは、長期債務を有する年金にとって親和性が高いと考えます。



―銀行側がSRT取引を行うメリットはどこにあるのでしょうか。

依田 SRT 取引は、株主持ち分の希薄化を起こす増資などエクイティ・ファイナンスを経ずして自己資本の強化を図れることが大きなメリットです。オフバランス化とは異なり、資産自体は銀行のバランスシート上に残るため、継続的に一定の収入を確保しながらリスク資産を実質的に圧縮することが可能となります。さらに、顧客との関係性を維持したままリスクのみを移転できるというメリットもあります。顧客への融資がそのまま銀行のバランスシート上に残るため、顧客との関係に何らの影響を及ぼすことはありません。

銀行はリスク資産の圧縮によって軽減された自己資本をもとにして、新たな融資を増やしたり、また有利な既存保有資産へ適用したりして収益性を高めることが可能となります。このようにSRT 取引は、銀行にとって自己資本の増加効果をもたらすと同時に、その管理・運営の効率化をもたらします。

SRT 取引は銀行にとってもメリットの大きいファイナンスと言えます。

日本の年金基金にとってSRTの位置づけとは

―年金ポートフォリオにはどのような恩恵があるでしょうか。

野間 SRT 戦略は年金ポートフォリオに対して、非常に高い分散効果をもたらします。それは他の資産との相関関係が低いという特徴によるものです。同時に、株式に近い高いリターンが低いリスクで安定的にもたらされる、という大きなメリットもあります。また、インカムキャッシュフローが厚い投資機会ですので、流動性については計画的に対応が可能という特性もあります。

加えてホワイトクロフト社の戦略では、オープンエンド型で円ヘッジ付きクラスも用意しています。よって、長期で安定した魅力的なリスク・リターンの特徴を有する投資機会として、年金ポートフォリオのコア資産に位置付けられると考えています。

―具体的にどのような分散効果が期待できるのですか。

野間 他の資産との相関関係が低いと同時に、SRT はリスク調整後のリターンが高いので、伝統的な株式ポートフォリオに組み入れると、ポートフォリオのリターンは株式だけの場合とほぼ変わらずにリスクだけが減少します。弊社のシミュレーション結果によると、組み入れ比率の大きさに従ってリスクの減少幅が増加するのです。これがまさしくSRT の特徴である「株式のリターンを低リスクで」の分散効果になります。

―最後に、SRT投資の注意すべき点についても教えてください。

野間 投資家の最終的リターンが「クーポン−信用損失」となる点には留意する必要があります。参照するポートフォリオ内のローンで信用損失が発生した場合は、クレジットリンク債の償還時に損失額が元本から差し引かれることになります。

また、クレジットリンク債は相対取引で発行されているので、償還期限までの流動性には制約があります。加えて、セカンダリー市場もそれほど成熟しているわけではありません。よって、長期投資の視点から対応する必要があると思われます。

さらに、運用者の選択は特に重要な課題です。どのような運用者が、どのような運用方針で投資しているか注意深く見極めることが肝要です。

SRT戦略一筋18年以上の専門家
保守的運用で安定リターンを創出

―欧州の年金基金は、ポートフォリオの中でSRT投資をどのように位置づけていますか。

サンディガースキー 欧州の年金基金のほとんどは、SRT を非常に魅力的なリスク調整後リターンを提供する資産と見ています。株式と同等のリターンをもたらす一方でボラティリティははるかに低いため、特に長期・安定運用を目指す年金のような投資家のポートフォリオに適しているでしょう。

さらに、SRT はリスクが低く、かつ非常に細分化されており、特にダイレクトレンディングのようなよりリスクが高く、集中的なエクスポージャーのアセットクラスに対して効果的に分散が図れるでしょう。またパブリック市場だけでなく、多くのプライベート資産クラスとの相関も低い傾向があり、市場がストレスに見舞われるたびにSRT の価値が証明されています。


―SRT戦略を運用するマネジャーとして、まずは投資哲学を教えてください。

サンディガースキー SRT 市場で18年以上の経験を有しており、この分野で最も経験豊富なマネジャーの一社であると自負しています。われわれの投資哲学はいたってシンプルで、信用リスクを最小限に抑えながら、可能な限り高いクーポンを追求することです。過去のクレジット・サイクルの中で、どんな取引が成功あるいは失敗してきたのかを見てきました。やはり適切なリスク管理こそが求められるのです。

―ホワイトクロフトの戦略の差別化ポイントはどこにあるのでしょうか。

サンディガースキー 先述の通り保守的な運用を徹底する当社のポートフォリオは、全体の75 ~ 85%が投資適格級ローンで占められ、1ローン当たりのエクスポージャーが最大0.15%という上限を設け(0.01% 程度がほとんど)、テールリスクを限定し、そしてセクターや地域、資産タイプにまたがって広範に分散を効かせています。

その一方で、レバレッジド・ローンや商業用不動産、その他リスクの高いセグメントを避けることを一貫して順守しています。こうした規律正しい運用方針によって、過去のクレジット・サイクルの中で幾度となく直面した厳しい市場環境でも、強靭性を示してきたのです。

また、SRT 投資において見落とされがちなのがポートフォリオ管理で、単に優良なSRT 取引を組み入れればいい、というわけではありません。質が高くリスクを抑えたSRT 取引はもちろん重要ですが、それがどの程度ファンド内の分散に寄与するのかという視点を欠かすことはできないのです。

当社のポートフォリオは、13 行が発行した30 件(2025 年4月末現在)のSRT が含まれ、1 万8000 件以上の債務者への分散されたエクスポージャーを有しています。常に安定したリターンを実現する上でポートフォリオ管理は極めて重要であり、これが当社の差別化ポイントのコアと言えるでしょう。

―発行銀行と条件を交渉する際、どのような点に最も注意を払うのでしょうか。

サンディガースキー SRT の参照ポートフォリオ内でローンの返済が発生すれば、銀行は事前の条件に従って新たなローンを補充します。このようにSRT の中身は不変ではないため、補充条件の分析と交渉は、最初のポートフォリオの引き受けと同じか、それ以上に重要です。

―現在のSRTの市場をどのようにご覧になっていますか。

サンディガースキー SRT 市場は過去5 年間で大幅に拡大し、市場規模は1500 億ドルに達していると推定されます。供給は引き続き好調で40 以上の銀行から年間100 件以上の取引があり、市場は拡大しています。それに伴い投資家サイドの需要も増加しているため、戦略の種類やリスク・プロファイルは多岐にわたっています。加えて、規制動向にも変化がある中で、マネジャーのパフォーマンスには巧拙が表れるようになっています。

SRT 自体は確かに魅力的なアセットクラスですが、すべての取引が同じではなく、単にSRT 案件に投資したからといって必ずしも高いリターンが保証されるわけではありません。したがって、どのようなマネジャーを選ぶかには留意が必要です。

―それでは、投資家はどのようにマネジャーを選別すべきでしょうか。

サンディガースキー 高い専門性が求められるSRT 市場では、銀行との強力なリレーションシップを有するかどうかが重要になります。またそれと同じくらい、規律を持って取引を引き受け、組成し、価格を決定し、そして執行できる体制を有しているか、そうした視点でマネジャーの能力を選別する必要があります。

そのうえで、投資家として最も重要なのは、マネジャーの投資方針や哲学に変化がないかを絶えず確認し続けることでしょう。戦略の投資哲学に基づいて規律正しい引受基準を順守するのか、それともリスク管理を犠牲にしてでもリターンを高めようとしているのかを見極める必要があります。

 

セミナーのご案内

〇テーマ
「SRTを年金ポートフォリオのコア資産クラスへ」

〇日時(開催場所)
東京:2025年7月9日(水) 10:30~12:30(東京アメリカンクラブ日本橋)
大阪:2025年7月10日(木) 16:00~18:00(キャノピー ヒルトン大阪梅田)

〇対象者
年金基金、学校法人、財団法人、コンサルタント等

〇申込方法
ご法人名、部署、役職名、ご氏名、電話番号を記入の上、
seminar@gordian-capital.co.jp 宛てにご連絡をお願いします。

Disclaimer

本記事は、ゴーディアン・キャピタル・ジャパン株式会社(以下「当社」)とホワイトクロフト・キャピタル・マネジメントLLPが情報提供を目的として作成したものであり、金融商品取引法に基づく開示資料あるいは特定の金融商品への投資の勧誘を目的としたものではありません。本記事は、信頼できると判断した情報に基づき作成されていますが、情報の正確性・完全性について当社が保証するものではありません。本記事に掲載されている数値・図表等は、本記事作成時点のものです。また本記事に示された見解は、本記事執筆時点における当社の判断によるものです。本記事中のいかなる内容も、将来の運用成果等を保証するものではありません。投資一任契約に基づく契約資産の運用において、価格が変動する金融商品に投資を行うため、契約金額(投資元本)が保証されているものではなく、これを下回る可能性があります。従って、運用による損益は全て投資家に帰属いたします。本記事の内容については、予告なく変更される場合があります。
当社とホワイトクロフト・キャピタル・マネジメントLLPとの関係は、国内における投資一任業者と、海外に拠点を置く独立したファンド運用会社としての関係に限定されており、両者間においては、いかなる金銭的又は契約上の利益関係も存在しません。

問い合わせ先

ゴーディアン・キャピタル・ジャパン株式会社
TEL: 03-4520-2323  
Email: gcjpension@gordian-capital.co.jp 
https://gordian-capital.co.jp 
金融商品取引業者関東財務局長(金商)第2761号 一般社団法人 日本投資顧問業協会会員
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