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連載 小倉邦彦のセミナーレポート 第15回 
PIMCOインベスターズ・フォーラム 
不透明な市場で確実性を探る〜アセット・ベースド・ファイナンスの魅力〜

2025年5月2日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

ピムコジャパンリミテッドが毎年4月頃に東京と大阪で開催し、恒例となっているPIMCOインベスターズ・フォーラムが本年も43日に東京会館で開催された。同社常務執行役員で年金・法人営業部長・鈴木徹氏による開会挨拶に続き、第一部ではエー・アイ・キャピタルの代表取締役社長・佐村礼二郎氏による「アセット・ベースト・ファイナンス(ABF)の投資機会」と題した基調講演が行われた。確定給付企業年金(DB)の主要戦略となっているダイレクトレンディング(DL)との比較も加えながらABFについてその機能やリスク、投資意義等が網羅的に説明され、参加者の関心も高かったようだ。

第二部ではピムコジャパンリミテッドのオルタナティブ担当アカウント・マネージャー・野津紗綾氏より「PIMCOのソリューション〜PIMCOのアセット・ベースド・ファイナンス戦略のご紹介〜」と題して、同社のABF戦略の着眼点や幅広いABFソリューション(インカム中心からトータルリターン志向まで、セクター特化型からマルチセクター型まで)についての説明があった。

続いて第三部のパネルディスカッションでは鈴木氏がモデレーターとなり、第一部と第二部の講演者がパネリストとなってABFに関してさまざまな視点で議論が交わされた。

DBのプライベート・デット(PD)に関する運用では企業向け融資のDLや商業用不動産向け融資が主流であるが、リスク源泉の分散を図りたいというDBのニーズは以前より強くなっており、その意味ではPDのネクスト・フロンティアとも言えるABFをメインテーマにした本セミナーは時宜を得たものであった。当日はDB関係者を主体に約90名が参加、満席に近い状態でセミナーに対する関心の高さをうかがわせた。

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小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。