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連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第20回
オルタナティブ投資のフロンティア
「クレジット・リスク・トランスファー戦略」を解説する

2024年11月25日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

目次

はじめに~欧米でCRT戦略が拡大した背景

CRT戦略の概要

CRT戦略による銀行のリスクアセット削減効果

なぜ、日本のDBがCRT戦略に投資をするのか?

規制当局の懸念~銀行の保有する信用リスクがノンバンクを経由し年金や保険会社に

終わりに



はじめに~欧米でCRT戦略が拡大した背景

BIS規制とCRT戦略の関係

 銀行の保有する債権をバランスシートに残したまま、その与信リスクを投資家が引き受けることで収益を獲得する取引が「キャピタルリリーフ戦略」あるいは「銀行資本リスクシェアリング戦略」と称して日本のDBにも紹介されている。これは欧米では「Credit Risk Transfer」「Capital Relief Trade」「Synthetic Risk Transfer」「Significant Risk Transfer」と一般的に呼ばれるものである。これまでもクレジット・リスク・トランスファー戦略(以下CRT戦略)はマルチクレジット戦略のポートフォリオの一つとして組み込まれていることはあったが、最近は CRT 戦略だけに特化したWhitecroft 社(セイリュウ)や CQS 社(りそな銀行)のファンド等が、日本でも募集活動を行っている。

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小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。

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