メニュー
閉じる

連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム
第19回 企業年金関係者が語る資産運用の課題と最新のトレンド 【前編】

2024年9月24日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

目次

前 編 

はじめに

仮想座談会出席者一覧

リバランスはルール通り?

為替リスクの管理や高止まりするヘッジコストへの対応は?

円債回帰志向は徐々に強まるが、でも今じゃない?

生保一般勘定は保証利率見直しで魅力度もUP

株式:スタイルは分散? 外株のアクティブファンドはM7の余波を受け低迷

縮小が続くマルチアセット 反転はいつ?

ヘッジファンドは再評価の動きも、人気のマルチマネジャ―型はコスト増の懸念

後 編 プライベートアセット編

国内不動産は安定収益を期待、海外不動産は市況の底入れを待つ

安定したインカムでインフラは人気上昇

プライベートデットではダイレクトレンディング以外にも分散を図る動き

プライベートエクイティはセカンダリーに人気集中?

NAVファイナンス、DBでも認知度高まるが。。。

小規模DBにおけるPA投資で定番となったオルタナマルチ

本日のまとめ

はじめに

2023年度は株式が内外共に4割を超える上昇となり確定給付企業年金(以下DB)のパフォーマンスは平均して9~10%と極めて好調であった。ドル円が年度を通じて13.72%の円安となったことも外貨建て資産の収益増大に大きく貢献した。一方で、円債はNomura-BPIが▲2.20%、ヘッジ外債もFTSE世界国債(円ヘッジ)が▲3.39%と引き続き低迷するも、2023年度は株式の大きなリターンがそれらを吸収してくれたと言える。10%近い年度のリターンで積立比率の改善が進んだことで、昨年秋ごろまでは高止まるヘッジコストへの対応やその影響で収益の低迷するヘッジ外債に関して、頭を悩ませ対応策を模索していたDB関係者もやや緊張感がほぐれ、当面対応策については様子見とするDBも多いと聞いている。

ここから先は会員登録が必要です。

会員登録をされている方

小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。