最近、「Net Asset Value-based financing:NAVファイナンス」という言葉を耳にするようになった。これはPEファンドが保有するポートフォリオを担保としたファンドへの融資であり、一般的には、保有資産の入れ替えに伴う流動性ギャップやIRRの引き上げを考慮した分配金の前倒し等に利用されているが、最近はエグジット活動が低下傾向にあることもありNAVファイナンスの活用が増えてきているようである。
また、従来は後述するサブスクリプション・ファイナンスも含め金融機関による資金提供が主体であったが、バランスシートの制約から増加するNAVファイナンスの需要に応えることが難しくなっており、この分野でもプライベートデットファンド(NAVファイナンス・ファンド)の存在が大きくなっている。日本でも複数のNAVファイナンス・ファンドが募集活動をしているが、DBにおいてはいまだ認知度が高いとは言えず、「それって何?」「名前は聞いたことはあるけど…」という声も多いので、今回の時事コラムでは今後拡大する可能性のあるNAVファイナンスを取り上げ、DB関係者二人の会話を通してその現状やリスクの所在等を分かりやすく解説していきたい。
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