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クレジット四半期アウトルック:ポリアンナとカサンドラが出会うとき

2026年7月6日
ロベコ・ジャパン株式会社


<要点>

  • ファンダメンタルズが底堅さを示す中で金融政策はタカ派寄りにシフト
  • クレジットスプレッドの縮小は実態を覆い隠す
  • バリュエーションはリスク・リターンの非対称性の観点で魅力の乏しい水準


年初来のクレジットのパフォーマンスは、表面的には驚異的としか言いようがありません。プライベート・クレジットをめぐる神経質な展開、AIディスラプションに対する懸念、地政学情勢の混乱といった問題に対しても、クレジット市場は実質的にほとんど懸念を示していません。さまざまな波乱要因が存在する中でも、ほとんどの領域において、スプレッドはここ数年で最もタイトな水準近辺で4~6月期を終えようとしています。

今回のクレジット四半期アウトルック・セッションでは、多くのテーマについて幅広い意見の一致が見られました。その一方で、AI導入の最終局面、地政学情勢、プライベート・クレジットなどのテーマでは見解が根本的に分かれ、「ポリアンナ」的な楽観から、「カサンドラ」に類する差し迫った破局シナリオまで幅広く聞かれました。

AIに関する議論は、ロベコの視点では「100万ドルの価値がある問題」です。「1兆ドル」とさえ言えるかもしれません。AIは短期間で広範に普及し、現在では日常生活に深く浸透しています。革新的なテクノロジーであることに異論の余地はほとんどありませんが、巨額の投資は実際に成果を上げるのでしょうか。その結論をこの場で出すことは不可能であり、また、そのつもりもありません。現時点で実務的に有益なストーリーは、AIのエコシステム内部でばらつきが拡大していることであり、多くの人が好んで位置づけるような「ブームか破局か」という二元論ではありません。

今回の四半期アウトルックでは、クレジット市場のファンダメンタルズ、テクニカル要因、バリュエーションに関するロベコの最新の見解と、そうした要因が下期以降のポジショニングにどのような意味を持つかについて、ポリアンナとカサンドラ[1] の知見を参考にしつつ、概要を提示します。

[1] カサンドラはギリシャ神話の登場人物で、予知能力を授かったものの、正しい警告を発しても誰にも信じてもらえないという運命を背負った。対照的に、ポリアンナは本能的な楽観主義の象徴として、リスクが顕在化していても物事はうまくいくという信念を体現する存在である。このレポートでは、足元のクレジット市場に広がるテンションの枠組みを捉えるため、この2人の架空の人物を登場させる。



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