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連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第37回 
高市政権の日本成長戦略支援に軸足を移す「資産運用立国」の現状
〜自民党資産運用立国議連の提言書「資産運用立国アップグレード」
〜日本成長戦略会議で明らかになった新金融戦略骨子(案)

2026年7月1日

自民党の資産運用立国議員連盟(会長・岸田文雄元首相)は4月23日に資産運用立国に関する提言「日本成長戦略を金融面から支える「資産運用立国」のアップグレード」を取りまとめ、5月14日に高市首相に提出した。昨年までは、金融面から「成長と分配の好循環」実現を後押しするとして、NISAの抜本的拡充・恒久化、コーポレートガバナンス改革、資産運用業やアセットオーナーシップの改革といった施策を提言し、同提言書は「貯蓄から投資へ」という資産運用立国の議論をリードしてきたと言える。

しかし、本年の提言では昨年までと趣を大きく変え、高市政権の推し進める「強い経済」の実現、戦略17分野を主体とした官民連携の戦略投資を促進するためには、日本の金融力を高めていく必要があると指摘。そのために、資産運用立国の取組をアップグレードし、これまでの取組に加えて、我が国の資金循環をより高い視点から捉えた施策を的確に講じていくことが必要であると主張している。

この資金の好循環に関しては、成長投資の拡大に伴う銀行以外の資金供給経路の多様化・強化が急務とし、欧米と比べ未成熟な社債市場やローン・セカンダリー市場の活性化に加え、プライベートエクイティ(PE)やプライベートデット(PD)ファンドの健全な発展や海外資金の更なる呼び込みが施策として盛り込まれた。結局のところ、資産運用立国も高市政権下では「成長投資を支える金融の役割」が最重要課題になっているようだ。

本コラムでは方向性が変化した自民党立国議連の提言書に関し、主にアセットオーナーに関するパートに焦点を当てて読み解いていきたい。

立国議連の提言書取りまとめと並行する形になるが、政府は本年1月から日本成長戦略会議の下で、成長戦略を加速させるための「新金融戦略」策定の議論を進めている。こちらは同会議下で開催されている資産運用立国推進分科会で議論が進められており、4月20日に開催された第3回分科会で「金融戦略骨子(案)」は事務局より提示され有識者を交えて議論された。また「金融戦略骨子(案)」は4月23日に開催された日本成長戦略会議の場で「分野横断的課題への対応の方向性」の一つとして内閣官房日本成長戦略本部事務局より当日の資料として提出された。政府は与党議連の提言を踏まえながら「新金融戦略」を作成している一方で、立国議連も政策当局とすり合わせしながら提言書を作成しており、「新金融戦略骨子(案)」は立国議連提言書の主要部分を取り入れたものになっている。唯一、ブロックチェーンのみが提言書に言及なく、「新金融戦略骨子(案)」のみで取り上げられた課題と言える。

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