金融政策分析レポート「セントラル・バンク・ウォッチャー:スピード感の違い」
2024年10月11日
ロベコ・ジャパン株式会社
インフレの低下傾向が続き、雇用の見通しが悪化する中で、FRBとECBに対して緩和を求める圧力が強まっています。FRBはこの夏の初めに利下げをためらう姿勢を見せ、ECBも金融緩和に二の足を踏んでいましたが、両中央銀行はすでに50bpの利下げを実施しました。両者が(緩和の)スタートを切ったことは明白であり、追加の緩和に向けた準備が整っているように見受けられます。欧米ともに、経済成長と労働市場に関する先行指標が軟調に推移しているため、政策発動を促す圧力が一段と強まっています。両中央銀行も、2025年半ばまでに政策金利を中立的な水準に誘導すると、ロベコは予想しています。
一方、中国人民銀行は、何年も前に(緩和の)スタートを切っており、今では完全な緩和モードに移行しています。経済および不動産市場の低迷と物価の下落傾向が続く中で、政策当局は「もう我慢できない」と考えたに違いありません。9月下旬に一連の景気刺激策が発表されたことに加えて、政策当局のコメントからは追加緩和の方向性もうかがえます。少なくとも、年末までに銀行の預金準備率(RRR)がさらに25~50bp引き下げられると、ロベコは予想しています。
【要点】
- 米連邦準備制度理事会(FRB):中立金利への道のり
- 欧州中央銀行(ECB):経済成長への懸念
- 中国人民銀行:多方面からの政策対応
- 日本銀行:政策の整合性
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