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連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム
第9回 フォローの風に乗るプライベートデットの最新動向を探る
前編:基礎編 プライベートデットを徹底解説

2023年12月1日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

資産運用時事コラムでは、今回と次回の2回にわたって「プライベートデット」を取り上げます。今回は「基礎編」としてプライベートデットの基本的な仕組みを総括し、次回はダイレクトレンディング戦略を中心に足元の市場環境と今後の見通し・課題を整理します。

■今回の目次
1.PDの基本的な仕組み
・DLにおける融資先の規模
・スプレッド水準は?
・シニア、メザニン、ユニトランシェの違い
・代表的なコベナンツとその重要性
・ファンドレベルのレバレッジは必要か
・一般的なファンドの形態~クローズドエンド型かオープンエンド型か~
・「スポンサー付き」とは?
・どのようなファンドを選択すべきか

2.ベンチマークにみるPDのリターン推移、クレジットロスはどの程度?


■後編の目次(後日掲載予定)
ダイレクトレンディングに関する井戸端会議 ~ 最新動向を議論する
・はじめに~井戸端会議参加者プロファイル
・年金の増加は巡航速度、DLに熱い視線を注ぐ生保は年金を上回る勢い
・当面フォローの風が吹き続けるが今後の懸念は?
・スポンサー付き案件への影響
・パブリック市場(バンクローン、HY債)の変調を受けPDは融資が大型化
・大型案件ではコベナンツ・ライトが進む?
・DLは既に大型LBOの世界でも地位を確保、パブリック物と共存する方向へ
・DLにおけるセカンダリー投資の現状
・DLにおけるESGの観点
・筆者あとがき


今回のコラムではインカム系のプライベートアセット(以下PA)として不動産、インフラと共に主軸をなすプライベートデット(以下PD)について取り上げる。PDはプライベートエクイティ(以下PE)や不動産、インフラと比べると比較的新しい資産クラスであり、リーマンショック後の規制強化で貸出余力が低下した銀行に代わり、中小企業向け融資の新たなプロバイダーとして発展してきた経緯がある。従って、リーマンショック前は銀行が取り扱わないメザニンローンがPDの主たる融資対象であり、ファンドの数や金額も限定的であった。

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小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。

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