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連載 新任常務理事のための年金運用基礎講座
第4回 債券(前編)

2023年7月27日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1回から3回までは運用に関する考え方や投資理論について説明してきました。今回からは主要資産クラスごとにその特徴やポートフォリオにおける役割について解説したいと思います。資産クラスのトップバッターは日本の年金資産運用において最も大きな比重を占める債券です。債券は金利によるインカム収益と金利変動(価格変動)によるキャピタルリターンがリターンの源泉ですが、長期的には金利によるインカム収益がベースとなります。

1 .債券の収益特性、キャリー(インカム)とキャピタルリターン

B氏:Aさんは財務で社債の発行とかも経験されているので債券についてはよく理解されていると思いますが、最初に債券の収益特性について整理しておきましょう。まずは表面利率(クーポン)と利回りの違いです。表面利率は債券の額面金額に対して受け取る年利息の割合のことで、その水準は発行体が債券を発行する際の金利水準や信用力等によって決まります。一方で、利回りは投資金額に対する利息も含めた年間収益の利率になります。

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小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。

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