年金運用の目的は、将来にわたって年金給付を確実に行うために、将来の給付と拠出金の差額を意味する運用収益を獲得することです。予定された運用収益を安定的に獲得するために、長期的視点に立って株式や債券、あるいはオルタナティブ資産への分散投資が求められています。本篇では新任常務理事のための年金運用の基礎を2名の常務理事の会話を通してわかりやすく解説していきたいと思います。
企業財務と年金運用は別物
B氏:Aさんは年金基金に着任して3カ月ほどになりますが資産運用業務には慣れてきましたか?
A氏:総幹事から年金資産運用のレクチャーを受けたり、企業年金連合会の新任常務理事研修に参加したりして何となくわかってきたところです。
B氏:Aさんは本体で財務の経験が長いので運用の世界にもすんなり入れたのでは?