金融政策分析レポート「セントラル・バンク・ウォッチャー:インフレ懸念に対する警戒感」
2022年7月15日
ロベコ・ジャパン株式会社
ここ数週間、景気後退に対する懸念が強まり、複数の金属や農産物の価格が下落したことを受けて、債券市場では中央銀行による利上げ見通しを大幅に後退させるようになりました。市場には、景気が悪化すると中央銀行はインフレという魔人を瓶に戻しやすくなる、という暗黙の了解が存在しています。
とは言え、インフレ率が低下する兆しが明確に確認されていないため、中長期的なインフレ期待の政策目標からの「逸脱(unanchored)」懸念が、急速に消滅する可能性は低いようです。このため、近い将来に景気後退に陥った場合に、中央銀行の政策支援が制限的なスタンスになる可能性も考えられます。例外は中国であり、インフレ圧力、インフレ期待とも抑制されていることから、中国人民銀行は緩和バイアスを維持しています。米国では、FRBがFF金利を中立的な水準に戻すために、7月と9月に大胆な利上げが予想されます。3%を大幅に上回る水準までFF金利を引き上げることが可能かどうかは、現時点では不明です。
要点
- FRB: 景気が減速する中での金融引き締め継続
- ECB: インフレとの戦いと分断への対応
- 中国人民銀行: 金利水準よりも信用の伸びを重視
- 日本銀行: 強まる圧力
◆ レポート全文のダウンロードはこちら ◆
お問い合わせ
ロベコ・ジャパン株式会社 営業部
TEL 03-4589-5570
ウェブサイト www.robeco.jp
ピックアップ
よく見られている記事ランキング
-
年内「利上げ」はどこまで進むのか。日銀植田総裁発言を読み解く
Web限定 寄稿 市場見通し -
「掘って掘って掘りまくれ」でインフレは収まるのか、大統領就任式でのトランプ発言の影響を振り返る
Web限定 寄稿 市場見通し -
オルタナティブ投資 発展の歴史 第6回 ヘッジファンドの変遷(前編)
Web限定 オルタナティブ 寄稿 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第22回アセットオーナープリンシプルで注目を集めるOCIOを徹底解説 後編:DB運用責任者がOCIOについて語る(仮想座談会)
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
日銀1月会合「利上げ判断」で嵐は起こるか?「歴史的な凋落劇」を引き起こした24年7月31日の利上げと徹底比較!
Web限定 寄稿 市場見通し -
野村年金ニュース解説 SRT、CRT、あるいはリスクシェアリング取引の投資機会と留意点
Web限定 企業年金 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第22回アセットオーナープリンシプルで注目を集めるOCIOを徹底解説 前編:OCIOの基礎知識~多様な形態、採用するメリット、日本ではなぜ普及が進まないのか?
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第20回オルタナティブ投資のフロンティア「クレジット・リスク・トランスファー戦略」を解説する
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
注目を集める不動産新セクター、トリプルネットリース
Web限定 不動産 企業年金 金融法人 -
地域金融機関から注目集める新ソリューション「OCIO」とは何か?
Web限定 金融法人