金融政策分析レポート「セントラル・バンク・ウォッチャー:金融政策の新たな展開」
2026年7月13日
ロベコ・ジャパン株式会社

<要点>
- 米連邦準備制度理事会(FRB):新議長は就任早々から始動
- 欧州中央銀行(ECB):政策対応に乗り出す
- 中国人民銀行(PBoC):段階的な政策対応
- 日本銀行:大台「1.0%」に到達
ケビン・ウォーシュ氏が米連邦準備制度理事会(FRB)議長に就任しました。就任後初の連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策声明文の長さが半分程度に短縮され、フォワードガイダンスに関する記述が削除されるなど、FRBのコミュニケーションの手法に対する新議長の影響が浮き彫りとなりました。また、労働市場の改善を受けて、現行の政策金利が(仮に抑制的であったとして)実質的にどの程度抑制的なのかという疑問が浮上するなど、議長をはじめとするFRB執行部は新たな課題に直面しています。
欧州では、ECBの政策理事会は現行の政策金利が十分抑制的ではないとの判断から、政策スタンスの転換に踏み切り、利上げを決定しました。これは、エネルギー価格上昇に起因するインフレ圧力の拡大抑制を意図した措置であり、足元のエネルギー価格の下落は、ECBの政策担当者にとって支援材料になると考えられます。その結果、追加的な引き締めの余地は限定的になった可能性が高いと見込まれます。
中国でも金融政策に新たな展開が見られ、中国人民銀行は長年の主要な政策手段である「7日物リバース・レポ」に加えて、「翌日物リバース・レポ」を実施しました。ロベコでは、内需の伸び悩みを踏まえて、今後もステルス緩和の方針が維持されると引き続き予想しています。
日本では、日銀は数十年続いたデフレ環境から完全に脱却したという確信を強め、政策金利を1.0%に引き上げました。もっとも、金融環境は依然として緩和的と見られ、経済成長も底堅く推移しています。
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