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オル・インVol.60 (2021年6月号)特集
今こそ Buy Japan !~改めて問い直す国内プライベートアセットの価値と魅力~

2021年7月9日

長引く低金利により、国内にも広く普及しはじめたプライベートアセット投資。だが投資対象は海外資産がほとんどで、国内投資家の資金がマザーマーケットたる日本の資産に流入しているとは言い難い。
一方で、近年は不動産やプライベートエクイティ市場に海外の有力プレーヤーが参入して大型の投資案件に名を連ねることが多くなり、またプライベートデットやインフラについても市場が形成されつつある。
では日本のプライベートアセット市場にはどのような投資機会が存在し、投資拡大に向けて何が課題となっているのか。現状を改めて整理し、その価値と魅力を探っていく。

PART.1 国内プライベートアセット投資のニーズを読み解く

採用率は3割強にとどまるもニーズの根強い資産もある

国内投資家の間でも普及が進むプライベートアセット投資。弊誌『オルイン』もこれまで数々の戦略を紹介してきたが、その多くは欧米の資産に投資するもので、国内を対象とする戦略は数が少なかった。果たして現在、国内のプライベートアセット戦略を採用する投資家はどの程度存在しているのだろうか。

弊誌が今年3月に実施した読者アンケート(回答数89)によれば、国内の不動産、インフラ、プライベートエクイティ(PE)、プライベートデット(PD)のいずれかに投資している割合は全体の32.6%で、資産クラス別の採用率は不動産(27.0%)、PE19.1%)、PD12.4%)、インフラ(10.1%)の順であった。プライベートアセット全般の普及イメージに反し、国内資産への投資はさほど進んでいないように見える。

現在の投資方針を尋ねた設問では、「新規に投資したい、増額したい」が多かったのはPD18.0%)、インフラ(16.9%)、不動産(14.6%)、PE10.1%)の順で、「現状維持」は不動産(20.2%)、PE13.5%)、PD9.0%)、インフラ(7.9%)という結果となった(図1)。

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