連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム第18回 アセットオーナー・プリンシプルや「見える化」、資産運用ガイドライン改定にDBはどう対応すればよいのか? 【後編】~DB関係者による仮想座談会~
2024年8月29日
はじめに
前編でも述べた通り、アセットオーナー・プリンシプル(以下「AOプリンシプル」)は原案に対するパブコメを7月25日に締め切り、8月下旬~9月上旬には策定される見込みである。また、資産運用立国実現プランやAOプリンシプルを受けてのDBの「加入者のための他社と比較できる見える化(以下「見える化」)」や「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドライン(以下「資産運用ガイドライン」)」改定に関しては、社会保障審議会企業年金・個人年金部会で3月から5月にかけて議論され、その方向性について部会で了承されたところである。
DB関係者ではAOプリンシプルや「見える化」あるいは「資産運用ガイドライン」改定により現下の体制が大きく変わるものでないという理解はあるものの、AOプリンシプル受け入れの是非や「見える化」の範囲やその影響についての関心、課題認識が強いこともあり、DB関係者が本件に関しどのような問題意識を持っているのか、どのように対応しようとしているのかを仮想座談会の形を借りて解説することにした。