連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第33回RBCブルーベイ東京オフィス開設20周年記念パーティー
マーク・ダウディング氏が語る足元のマクロ環境と債券市場 〜同社初となる円債ファンド立ち上げも表明〜
2025年12月12日
はじめに
2025年11月21日にRBCブルーベイ・アセット・マネジメント東京オフィス開設20周年記念パーティーが、約170名の参加者を集めて開催された。当日はRBCグローバル・アセット・マネジメント CEOデイモン・ウイリアムズ氏の開会あいさつに続き、ブルーベイ債券部門CIOマーク・ダウディング氏とブルーベイ・エマージング市場責任者ポリーナ・クルドヤフコ氏による基調講演が行われた。
2022年12月20日に日銀は長短金利操作(YCC)に関し、上限を0.25%から0.50%に引き上げることで政策修正に追い込まれたが、この背景にはマーク・ダウディング氏が率いるブルーベイや他のヘッジファンド勢による日本国債のショートポジションが影響したと言われている。
おりしも高市新政権による大型経済対策による財政悪化懸念を背景に、日本国債と円が足元では強い売り圧略にさらされており、11月20日には10年物国債の利回りが一時1.835%と17年半ぶりの水準に上昇した。このような状況の中で、日本国債の動向に影響力を持つ同氏が何を語ったのかは、多くの企業年金関係者が関心を寄せるところであろう。そこで、今回の時事コラムでは、エマージング市場について語ったポリーナ・クルドヤフコ氏の講演と合わせ以下で紹介していきたい。
また、セミナーではマーク・ダウディング氏が円債ファンドをローンチすることを表明した。これまで円債には常に弱気でショートポジションで名をはせた同氏が、円債市場でのアクティブ運用による投資機会を新たに見いだしたことは新鮮な驚きであった。