大和ファンド・コンサルティング『ストラテジー・レポート』 ダイレクトレンディング戦略におけるエバーグリーン型の新潮流【前編】
2025年10月17日
1.はじめに
ダイレクトレンディング戦略は、プライベート市場で組成される直接投資のローンへ投資を行う。これらのローンは、流通市場がなく原則途中売却できない。そのため、ダイレクトレンディングのファンドスキームは、途中解約ができないクローズドエンド型の採用が一般的だ。しかし、昨今、各運用会社から一定のファンド流動性を付与したエバーグリーン型のダイレクトレンディング戦略も徐々に提供され始めている。ダイレクトレンディング戦略のエバーグリーン型スキームの内容、および投資家にとっての利便性について整理する。
※本稿では、エバーグリーン型を「ファンドの購入期間および運用期間の定めがなく、通常一定の解約流動性があるスキーム」と定義し、エバーグリーン型の中でも「NAVで随時売買ができるスキーム」をオープンエンド型(従来型エバーグリーン)と定義する。オープンエンド型以外にも、様々なエバーグリーン型が近年登場してきている(後述3参照)。