多くの確定給付企業年金(以下DB)が毎年強い関心を寄せている、J.P.モルガン・アセット・マネジメントによる企業年金運用動向調査に関し、昨年に続き個別に調査結果を説明いただいた。他社の調査と異なり、同社では営業担当者が直接DBを訪問、対面でのヒアリング調査を実施するので、その正確性・信頼性は従前より高い評価を得ている。質問項目も足元の市場環境を反映したものが多く、今回も資産配分のトレンドの変化や年金運用が抱える課題が的確に理解できる内容になっている。
今回の調査結果の特徴は、昨年下げ止まりの動きを見せていた国内債券が長期金利の上昇もあり再び減少傾向になる一方で、保証利率が改善され使いやすくなった生保一般勘定が増加に転じたことであろう。また、オルタナティブは巡航速度で拡大を続けており、2025年3月末の政策AMにおける資産配分は24.9%を占めるに至った。10年前の2015年3月末は12.8%だったのでほぼ倍増である。それに対し国内債券は2015年3月末の30.3%から14.6%と10年間で半減する結果となった。