メニュー
閉じる

連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第29回
OCIOの最前線を探る〜資産運用会社編
Part.2 ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント 小松氏に聞く

2025年8月20日
小倉 邦彦 /  『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

はじめに

アセットオーナー・プリンシプル(AOP)は原則2で「知見の補充・充実のために必要な場合には、外部知見の活用や外部委託を検討すべきである」と規定し、さらに補充原則2-2ではアセットオーナーの知見の補充・充実のための外部組織活用の一例としてOCIOOutsourced Chief Investment Officer)を明記した。これによりOCIOに対する確定給付企業年金(DB)の関心が急速に高まっている。一方で、関心は高まっているものの、今まで認知度の極めて低かったOCIOを知っておきたいというDB関係者が太宗で、実際に導入を検討したいというDB関係者はまだ少数に止まっているというのも事実である。しかし、昨年8月におけるAOPの策定以降、OCIOを導入したDBは数ではわずかながらも着実に増えてきており、DB同様これまで利用のなかった学校法人も含め、今後さらに導入件数が増えていく可能性がある。

本コラムでは6月にコンサルティング会社系OCIOプロバイダー3社を取材し、各社の体制やこれまでの実績のほか、今後のDBあるいは学校法人等アセットオーナーへの拡大可能性や、それに伴う諸課題を伺った。一連の記事に対する読者の関心は非常に高く、資産運用会社系プロバイダーについても知りたいとの要望を多数頂戴したので、OCIOビジネスをグローバルに展開しているブラックロックとゴールドマンにそれぞれ話を伺う事とした。2回目はグローバルで最大規模のOCIOプロバイダーであり、日本でもDBへの展開を図るゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社(GSAM)のマルチアセット・ソリューションズ(MAS)の日本責任者である運用投資戦略部のマネージング・ディレクター、小松高広氏に話をお伺いした。

ここから先は会員登録が必要です。

会員登録をされている方

小倉 邦彦

 『オルイン』シニアフェロー
元 三井物産連合企業年金基金 シニアアドバイザー

1980年三井物産株式会社入社。本社、広島支店、ドイツ(デュッセルドルフ)等にて経理、財務業務を担当後、1998年~2006年 本店プロジェクト金融部室長。
2006年~2009年 米国三井物産ニューヨーク本店財務課 GM。
2009年~2011年 本店財務部企画室 室長。
2011年~2013年 三井物産フィナンシャルサービス株式会社 代表取締役社長。
2013年~2017年 三井物産都市開発株式会社CFO。
2017年5月~2022年6月 三井物産連合企業年金基金 常務理事兼運用執行理事。
2022年7月~2023年3月 同基金シニアアドバイザー。