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利上げが進む今こそ再考したい 
国内債券の投資意義と2025年の市場見通し

2025年2月7日

約20年にわたって低迷していた国内金利が動き始めた今、投資判断をより良いものにするためには金利へのさらなる理解が欠かせない。マネックス・アセットマネジメントで債券運用部長を務める堀井正孝氏は、金利は金融市場の「炭鉱のカナリア」であり、「投資家にとって金利ほど力強い味方はいない」という。同氏がこのほど上梓した書籍『金利を見れば投資はうまくいく 日本編』を踏まえ、金利を読む意味と、金利を通じて見る2025年の展望を聞いた。


マネックス・アセットマネジメント
債券運用部長
堀井 正孝氏


国内有数である先進国債券ファンド「グローバル・ソブリン・オープン(通称グロソブ)」の元運用責任者。第一生命保険および系列運用会社、国際投信投資顧問(現三菱 UFJアセットマネジメント)、SBI系列運用会社での債券運用歴 30年超。著作に『改訂版 金利を見れば投資はうまくいく』など。

――堀井さんは1989年に生保で債券運用部門に配属となり、金利の世界に入られたとのこと。ご経験のなかで、金利の魅力を実感されたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

ファンドマネージャー(FM)なって数年たった頃、運用がうまくなりたい、そのために、債券、為替、株式などの市場を問わず、活躍しているFM、エコノミストやアナリストが、何を考えているのか知りたいと思い、彼らに会うため何度も海外に足を運びました。彼らに運用や分析のコツを尋ねると、全員に共通した答え、それが「金利を追うこと」でした。これが、間違いなく、金利の動きに注目するきっかけとなりました。

実は、新人FMの頃、債券運用部長の号令で行った、短期債から長期債への大幅なポートフォリオの変更が成功を収めたのですが、なぜ部長が号令を出せたのか、当時の私には分からなかったということがありました。
ところが、金利を追い始めたら、部長は、あの時の「長短金利差逆転=景気減速のサイン」を見逃さなかったのだと気づき、衝撃を受けました。

身近にあった金利、身近にいた部長……まさに「灯台下暗し」でした。金利の魅力を実感したのは、金利と部長の号令が結びついた瞬間だったかもしれません。

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