はじめに
確定給付企業年金(DB)におけるプライベートアセット投資の中で、主要資産クラスの一つとなっているプライベート・デットは、米国だけでもその規模が近年急速に拡大し1.7兆ドル近くに達しており、パブリック市場のレバレッジド・ローン(約1.4兆ドル)やハイイールド(HY)債市場(約1.3兆ドル)に匹敵する規模になっている。
FRBは今般、金融市場で重要性が増しているプライベート・クレジットに関し「Private Credit: Characteristics and Risks」と題するFEDS Notesを公開した。FRBは特性やリスクを客観的な数値をベースに中立的な立場で分析しており、日本の投資家にも大いに参考になるものである。本コラムではFEDS Notesの概要を紹介するとともに、適宜筆者のコメントを追記した。