金融庁が企業年金のDC(確定拠出年金)やDB(確定給付年金)に重大な関心を示している。政府は2023年末にまとめた「資産運用立国実現プラン」で、2000兆円を超える家計金融資産を積極的な投資に回し、成長と分配の好循環を生み出すため、投資資金の流れを担うインベストメントチェーンの活性化を図るとしている。同チェーンの中で、活性化に向けて「最後に残されたピース」とされたのが資産運用業とアセットオーナーだ。
同プランに深くかかわった金融庁が最後のピースにこだわるのは当然だろう。しかし、事情はそう単純でない。前者は同庁の監督下にあるものの、後者のDCは厚生労働省との共管、DBに至っては同省の専管だからだ。
同庁は霞が関の垣根を踏み越えてDCやDBに切り込むのか。切り込んだとして勝算はあるのか。あるいは、厚労省の協力は得られるのだろうか。今後の展開を考えてみよう。
※この記事はフィナシープロからの転載です。