グローバル債券マクロ・アウトルック:インフレ・ゲーム
2022年7月15日
ロベコ・ジャパン株式会社
2022年第3四半期「インフレ・ゲーム」
要点
前回の四半期アウトルック「チェックメイト(Czech mate)に陥る」において、ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、インフレがより高い水準で持続的に推移する中で、中央銀行は厄介なジレンマに直面していると指摘しました。苦境にある金融政策対応について表現する際に、「ツークツワンク(zugzwang)」というチェスの用語を用いました。この用語は、パスができないルールから生じる、自らにとって深刻な手、場合によって決定的な不利益となる手を指さざるをえない状況を意味します。
チェコを始めとして、中央銀行がインフレの問題を早期に認識した国からイールドカーブは逆イールド化するようになり、その流れは中東欧(CEE)の債券市場、英国市場、韓国のスワップ市場にも波及しています。その後、米国債も、“逆イールド・グループ”に仲間入りすることになりました(既に逆イールド化していたユーロドル金利先物と金利スワップのイールドカーブに追従するようにして、米国債の2年/10年のスポット・カーブも逆イールド化)。米国債の2年/10年のイールドカーブは、5月には一時的に順イールド化したものの、6月に入って債券市場のボラティリティが高まる中で、再び逆イールド化しています。
要点
- 中央銀行はインフレ抑制を優先する方向に傾斜
- 第1四半期における食品・エネルギー価格の急騰は金利ショックとVaRショックに発展
- その結果、下期を前にクレジット市場および債券市場では割安な投資機会が到来
◆ レポート全文のダウンロードはこちら ◆
※ 記事へのリンクはこちらをクリックしてください。
お問い合わせ
ロベコ・ジャパン株式会社 営業部
TEL 03-4589-5570
ウェブサイト www.robeco.jp
ピックアップ
よく見られている記事ランキング
-
年内「利上げ」はどこまで進むのか。日銀植田総裁発言を読み解く
Web限定 寄稿 市場見通し -
「掘って掘って掘りまくれ」でインフレは収まるのか、大統領就任式でのトランプ発言の影響を振り返る
Web限定 寄稿 市場見通し -
オルタナティブ投資 発展の歴史 第6回 ヘッジファンドの変遷(前編)
Web限定 オルタナティブ 寄稿 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第22回アセットオーナープリンシプルで注目を集めるOCIOを徹底解説 後編:DB運用責任者がOCIOについて語る(仮想座談会)
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
日銀1月会合「利上げ判断」で嵐は起こるか?「歴史的な凋落劇」を引き起こした24年7月31日の利上げと徹底比較!
Web限定 寄稿 市場見通し -
野村年金ニュース解説 SRT、CRT、あるいはリスクシェアリング取引の投資機会と留意点
Web限定 企業年金 -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第22回アセットオーナープリンシプルで注目を集めるOCIOを徹底解説 前編:OCIOの基礎知識~多様な形態、採用するメリット、日本ではなぜ普及が進まないのか?
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
連載 小倉邦彦の資産運用時事コラム 第20回オルタナティブ投資のフロンティア「クレジット・リスク・トランスファー戦略」を解説する
Web限定 寄稿 資産運用時事コラム -
注目を集める不動産新セクター、トリプルネットリース
Web限定 不動産 企業年金 金融法人 -
地域金融機関から注目集める新ソリューション「OCIO」とは何か?
Web限定 金融法人