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DCセミナー2026開催報告 ~制度改正と先進事例が示す、企業型DC運営の新潮流~

2026年2月24日
アセットマネジメントOne株式会社

2026年2月4日、東京會舘にてアセットマネジメントOne主催「DCセミナー2026~先進事例から読み解くDC運営の新潮流~」が開催された。昨年に続き、2回目となる。

今回、企業型確定拠出年金(DC)導入事業主を中心に約250名が一堂に会した。DC制度の法改正や、社員のエンゲージメントなど現場で求められる課題解決策について、活発な議論が繰り広げられた。
冒頭の挨拶でアセットマネジメントOneの杉原規之社長は、2026年4月施行の企業型DCマッチング拠出制限撤廃や、2026年12月施行の拠出限度額・iDeCo加入年齢引き上げなど、DC制度を取り巻く大きな変化の波について言及。これらの改正が企業と従業員双方の資産形成に新たな可能性をもたらすことを解説した。

セミナーは3部構成で行われた。第1部ではアセットマネジメントOneの伊藤雅子氏(執行役員 未来をはぐくむ研究所長)が登壇し、ティー・ロウ・プライス(米国)による「2025年老後資産形成に対するグローバル意識調査」を材料に、日本の課題を分析。日本では老後資金準備への不安が大きいこと、家計管理や資産形成への自信が低いことが明らかになったとし、DC掛金や情報活用度の低さ、公的年金の所得代替率の低水準などを指摘。「金融リテラシー向上や職域でのサポート強化が不可欠」と伊藤氏は述べ、欧米の先進事例を参考に、ライフプラン設計や人的資本開示に直結する「見える化」の重要性などを提案した。

第2部のパネルディスカッションでは、ティー・ロウ・プライス・ジャパン横川雄祐氏(機関投資家アドバイザリー部 リレーションシップ・マネジャー)とマーサージャパン永島武偉氏(年金コンサルティング部 シニアアクチュアリー)が登壇。厚生労働省による「DC運用の見える化」導入が2027年度中に予定されていることを受け、プラン内容の開示による他社比較や運営改善が加速するとの見通しを示した。横川氏はティー・ロウ・プライス(米国)が提供している「見える化ツール」、「コンフィデンスナンバー」を紹介し、社員の資産形成意欲向上や企業間での競争力評価に役立つ指標として注目を集めていることを紹介。永島氏は「ウェルビーイング」の多面性に触れ、特に経済的側面(ファイナンシャル・ウェルビーイング)支援の重要性を強調。実際のデータをもとに退職給付制度の認知度が低いことなどに触れ、情報提供や意思決定支援など、企業が果たすべき役割を示した。

第3部ではヤマト運輸の成井隆太郎氏(働きやすい職場作り推進部長 兼 社員福祉センター課長)が、同社の実践例として、社員の多様化を背景とした福利厚生の変革の中心に社員の金融リテラシーの向上を据え、企業型DCの商品見直しやデジタルを活用した社員の学習支援環境整備に関する取り組みを紹介。地道な取り組みの継続が従業員の行動や意識の変容につながり、企業型DCの運営を含む福利厚生全般の変革推進につながっていると語った。

今回のセミナーを通じて、DC制度の拡充とともに、人的資本経営や社員のウェルビーイング向上、デジタル活用による継続学習の重要性が改めて確認された。制度改正を好機と捉え、企業ごとの課題に応じた取り組みや最新事例の共有が今後さらに重要となるだろう。

セミナー終了後には、参加者同士の交流を深める懇親会も実施された。ティー・ロウ・プライスのピーター・オースティン氏(マルチ・アセット部門 グローバル・インベストメント・ソリューションズ統括責任者)が乾杯の挨拶に立ち、米国のDC制度の最新動向に触れるとともに、日本市場の成長ポテンシャルについても力強く言及。会場では、参加者が各社の取り組み事例を紹介し合い、活発な意見交換とネットワーキングが行われ、和やかな雰囲気の中で親睦を深めた。

【セミナー概要】
「DCセミナー2026 ~先進事例から読み解くDC運営の新潮流~」

日時:2026年2月4日(水)セミナー15:00~ 懇親会17:40~
会場:東京會舘 丸の内本館

主催:アセットマネジメントOne株式会社

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号

加入協会/一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会

協賛:第一生命保険株式会社、株式会社みずほ銀行、ティー・ロウ・プライス・ジャパン株式会社