クレジット四半期アウトルック:陶酔状態のクレジット市場
2025年10月10日
ロベコ・ジャパン株式会社

<要点>
- スプレッドは極めてタイトだが、投資家は楽観姿勢を崩さず
- 強力なテクニカル要因が市場を継続的に下支え
- クオリティの高い投資適格債と厳選されたハイイールド債を重視
英国のロックバンドPink Floydが「心地よい陶酔状態(Comfortably Numb)」という楽曲で表現したように、無関心は束の間の安心感をもたらすこともありますが、いずれ現実に直面した際に、無防備な状態に陥るおそれがあります。現在のクレジット市場も、これと同じパラドックスを体現しているように思われます。今回の四半期アウトルックでは、ロベコのクレジット市場に対する最新の見解と今後の見通しについて、概要をご説明します。
2025年7~9月期は、4~6月期に劣らず注目に値する展開となりました。リスクは身近に存在するという警告が繰り返される中で、スプレッドはさらに縮小しました。また、トランプ政権の関税政策に関連する ニュースが相次いだものの、市場は動じていないように見受けられます。
かつて考えられなかったトランプ大統領の米連邦準備制度理事会(FRB)への強硬な介入すら、市場のセンチメントを揺るがすには至りませんでした。また、労働市場関連のデータが下方修正される一方で、先行指標においてインフレ圧力の再燃が示唆されるなど、スタグフレーション・シナリオの確率が上昇している状況でも、リスクを選好する姿勢は後退していません。(実現しなかった)景気後退懸念を背景にスプレッドが拡大するという“誤報” に終わった事例が幾度となく繰り返された結果、投資家は再びヘッジ取引に動く意欲を失っているのが現状です。
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